かんたんな暗号化プログラム

春休みの暇つぶしにどうぞ。

用語

  • 暗号化: 通信内容や文書の内容を、鍵無しでは読めないように変換すること。
  • 復号: 暗号文をもとの読める状態に変換すること。
  • 平文: 元の文章。
  • 暗号文: 暗号からされた文章のこと。

仕様

  1. モードを選択する。(暗号化または復号)
  2. 鍵を入力する。鍵は、1から9までの整数値とする。
  3. 暗号化モードの場合は平文を、復号モードの場合は暗号文を入力させる。
  4. 暗号化モードの場合は暗号文を、復号モードの場合は平文をそれぞれ出力する。なお、暗号化/復号の際には、ユーザが入力した鍵を利用すること。

プログラムの実行例

かんたんな暗号化プログラムの実行例

アルゴリズム

暗号化のアルゴリズム

  1. ユーザから鍵と文字列(平文)が入力される。
  2. 文字列に対してループを回して、各文字に鍵の値を足して出力していく。

復号のアルゴリズム

  1. ユーザから鍵と文字列(暗号文)が入力される。
  2. 文字列に対してループを回して、一文字ずつ鍵を引いて出力していく。

文字列から鍵を足す/引くってどういうこと?

  • char型の値(文字)は、実は内部的にはタダの数値である。→ASIIコード
    • 例えば、アルファベット大文字のAは10進で ‘65’ だし、アルファベット小文字のaは ‘97’ である。
    • 詳しくはASCII文字コード - IT用語辞典あたりを参照
  • ‘A’(65)に1を足せば、’B’(66)になる。
  • 今回の暗号化プログラムは、これを利用して、暗号化を行っている。
    • 平文が”Hello”で、鍵が3だとすると……。
    • ‘H’ + 3 –> ‘K’
    • ‘e + 3 –> ‘h’
    • ‘l’ + 3 –> ‘o’
    • ‘l’ + 3 –> ‘o’
    • ‘o’ + 3 –> ‘r’
    • よって暗号文は、 “khoor” である。
  • 復号は逆のことをすればOKです。
  • AさんとBさんで文書をやり取りする際に、お互いに「鍵は3にしておこう」と決めておいて文章を暗号化すれば、その鍵が第三者に知られない限り、文書の内容が盗み見られる事は無い、というわけです。
    • このような暗号化の形式を「共通鍵暗号」といいます。
    • 逆に言えば、鍵がバレたら終了です。
  • 暗号化用の鍵と復号用の鍵が別々な、「公開鍵暗号」という方式もあります。詳しくはググって。

ソースコードの例

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// ソフトウェアテクノロジー部2016年度1年生向け
// 「かんたんな暗号化プログラム」

#include <stdio.h>

int main(void)
{
char message[20];
int mode;
int key;
int i;

printf("モード選択(暗号化=1, 復号=2)\n");
printf("--> ");
scanf("%d", &mode);

printf("鍵を入力\n");
printf("--> ");
scanf("%d", &key);

switch(mode) {
case 1:
printf("平文を入力\n");
printf("--> ");
scanf("%s", message);

i = 0;
printf("暗号文は ");
while(message[i] != '\0') {
printf("%c", message[i] + (char)key);
i++;
}
printf(" です。\n");
break;
case 2:
printf("暗号文を入力\n");
printf("--> ");
scanf("%s", message);

i = 0;
printf("平文は ");
while(message[i] != '\0') {
printf("%c", message[i] - (char)key);
i++;
}
printf(" です。\n");
break;
default:
printf("無効なモードです。");
break;
}
return 0;
}